副業を始めたいと考えている会社員の方が、最近多くなっているようです。『会社員として働く』といったこと以外に、『お金を稼ぐ方法』を考えるようになってしまうことは必然の成り行きともいえます。多く1の会社員の関心が集まっている副業の種類はだんだんと増加傾向にあります。
高齢化社会の深刻化や働き手が手薄になるなど、将来的に日本経済の見通しがはっきりしないことから、今まで以上に『投資』に関心が寄せられています。将来の生活をより豊かなものにするポテンシャルを秘めているため、『始めてみたい』と意識している方も多いようです。
一方で、どのようなものがあるのかを正確に把握できていないという方も少なくはないようです。自分に合っている投資を見つけられるように、投資の種類やメリット、デメリットなどについて解説していきます。
副業で行う投資関連ビジネスの種類
容易に開始できる副業としてよくピックアップされる『投資関連ビジネス』ですが、『確実に稼げる』金融商品などはありません。『副業として開始してみたが、気づいた時には元手がマイナスになってしまった』ということも十分にあり得るのが投資関連ビジネスなのです。
さまざまなメリットはありますが、全ての金融商品には必ず「元本割れ」というリスクがあるということを理解しておく必要があります。
株式投資
最もメジャーといえるのは、一定の評価を維持し続けている『株式投資』です。上場企業の株を株価が安いタイミングで購入して売却益を得ること、または株を保有していることで利益を得られる『配当金』での収益を目的として投資します。
株式投資は証券取引所を介しますが、日々時間と共に変化する株価の動向に気をつけていなければなりません。そのために株を長期保有せず、1日で取引する『デイトレード』も人気があります。
株式投資で得られる報酬は、株価の値上がりを理由として得られる売却利益である『キャピタルゲイン』、株主優待による特典である『株主優待』、配当金の分配による利益である『インカムゲイン』の3種類があります。
大多数の人が損をしている一方で、約7割以上の勝率を維持することによって、安定した利益を上げている人もいるようです。積極的に専門書を読んだりセミナーに参加したりすることで、知識を身につけることにより、結果を出せるようになっていきます。
FX『外国為替証拠金取引』
株式投資と同様に副業としての人気が高い『FX(Foreign Exchange)は、外国為替を利用することで利益を得ることを目的としている投資です。
簡単に説明しますと、1ドル100円の時点でドルを購入した後に、1ドル105円になった時点で購入したドルを売ることによって、5円分の差益を得られるということになります。米ドルを始めとするさまざまな世界中の外貨を売買して、変動する為替レートを見極めて差益を狙います。
少額の資金で多額の投資ができるといった『レバレッジ』が特徴で、証拠金の数倍から数十倍の取引きができ、国内におけるFX会社の最大レバレッジは25倍となっています。
また、外貨を保有していることで発生するスワップポイント(政策金利の差)でも継続的な利益を得られます。取引時間や利益確定、損切りなどのルールを決めておくことが最初の1歩となって、売買シグナルなどを学んでいくことによって勝率を上げていきます。
投資信託
株式投資などのように、日々細かく注意して見守るといったことが苦手であるという場合には、株式や債券などに専門家が投資してくれる『投資信託(ファンド)』がおすすめです。投資家から集められた資金を資産運用会社に任せて、投資によって得られた利益を投資家の出資額に応じて配当される仕組みです。
資産運用会社には『ファンドマネージャー』と呼ばれる投資の専門家がおり、『株式』『FX』『不動産』『債権』などに投資します。
商品の種類を選択する必要がありますが、株の銘柄などについてはその必要がありませんので、初心者にもおすすめできます。しかし、運用によっては利益が出る場合もあれば、損が出てしまう場合もある元本保証がない投資であるため、その点には十分に注意したほうがいいでしょう。
仮想通貨
近年人気が高まってきている『仮想通貨』は、実体のないインターネット上の通貨のことで、オンライン上でのみ使用できます。FXと類似しており、仮想通貨を売買することで利益を得ることを目指す投資となっています。必ずしも、まだまだ広く普及しているとは言い切れませんが、店舗で利用できる場合もあります。
さまざまな問題が発生していますが、『仮想通貨』投資を副業としている人は増加傾向にあります。日本で有名なのは『ビットコイン【BTC】』ですが、1,000種類以上の仮想通貨があるといわれています。
現物取引とレバレッジ取引があります。2017年12月まで盛り上がったあとに、取引所から暗号資産の1つであるNEMが流出したことで価格が暴落しました。
このことはFXでも見られた黎明期に発生する一過性の事象であり、2018年に規制が強化されたことによって業界の健全化を経ることで、2020年頃から伸びていく傾向にある市場とされています。
不動産投資
購入したマンションや土地などを運用することで、利益を生み出すテクニックを不動産投資といいます。入居者から得られる『家賃収入』、不動産の価値が上がったタイミングで売却して得られる『売却益』で利益を生み出しています。不動産投資信託とは異なり、実際に土地や建物などを所有することがポイントとなっています。
『不動産投資』は副業として昔から人気が高く、家賃収入を毎月得ることや不動産の売却で利益を得ることを目的とした投資となり、ほかの投資と比べて長期的な投資となりやすいことが特徴です。不動産投資のローンを受けられてレバレッジがあるほかに、万が一の場合に備えて生命保険代わりにできる投資となっています。
『ミドルリスクかつミドルリターンで、他の投資商品と比較して手堅い』といわれていますが、リスクが全くないわけではありません。気になっている方は、マンション1室を運用することからまずは始めてみるといいでしょう。
REIT『不動産投資信託』
REIT(Real Estate Investment Trust)は、不動産投資信託のことです。投資家から集めた資金で専門家に運用を任せたものです。『投資』といえば、『株式投資』や『FX』などを想像されるかもしれませんが、賃貸収入や売却益から配当金が得られる投資である金融商品のひとつとして人気があります。
少額の資金で不動産投資を手軽にできるほかに、管理する手間がほとんど必要ありません。また、投資リスクを分散できて、価格も増減することから、運用以外でも利益を生み出せるため副業として人気があります。
iDeCo
『個人型確定拠出年金』のことをiDeCoといいます。『投資信託』『定期預金』『保険』の中から運用する商品を選択して、あらかじめ決めていた掛け金を毎月納付していきます。60歳を迎えてから引き出せる個人型の年金制度で、受け取れる額は各自の運用実績で変化します。
ソーシャルレンディング
お金を貸したい人と借りたい人がマッチングできるシステムのことを、ソーシャルレンディングといいます。一般的には『貯金に興味がない、投資は手間がかかる、資産運用はしたい』といった層から支持を得ているようです。
投資関連ビジネスのメリットとデメリット
投資にはさまざまな種類があるため、『何から始めたらよいのか分からない』という場合も多いようです。種類によって『リターン』『リスク』『期間』が大きく異なってくるため、分かりづらいのは無理もないことです。しかし、メリットやデメリットを認識すれば、自分にマッチした投資方法が見つかるでしょう。
株式
メリット
・保有しているだけで配当金や株主優待を得られる
・株主総会の参加権を得られ、会社の経営戦略や人事決定などに意見できる
・日頃から経済や政治に目を向け、情勢を認識できるようになる
デメリット
・景気に大きく左右されるので注意しなければならない
・本業で得た情報を使うと、インサイダー取引とみなされてしまう恐れがある
・最低でも10万円ほどの元手が必要になる
・銘柄探しに多くの時間を要する
FX
メリット
・株式投資と比較して、景気に左右されづらい
・少額の資金で多額の利益を上げる見込みがある
・平日はいつでも取引できる
・取引できる外貨ペアが限定されているため、投資先を見つけやすい
・所持していればスワップポイントで利潤をあげられる
デメリット
・レバレッジをかけたときの状況によっては、大損するリスクがある
・副業であるため、取引をしたいときにタイムリーにできない可能性がある
・平日は24時間、価格が変動し続けるため、常に管理しなければならない
・価格変動の動きが激しいため、大きな損失を計上する恐れがある
投資信託
メリット
・投資の専門家が運用を代行してくれるため、初心者でも始めやすい。
・感情に左右されず積み立てができる。
・個人では難しい外国銘柄や先物にも投資できる。
・個人投資家として独り立ちをする準備ができる。
デメリット
・多くの商品の中から自分にマッチした投資信託を探す必要がある
・元本割れする可能性がある
・手数料がかかる
・自分の勉強にならないこともある
仮想通貨
メリット
・ほかの投資と比較して変動が激しく短期間で大きな利益を得られる場合がある。
・24時間365日いつでも取引ができる。
・対応している店舗があれば日常生活で使用できる。
デメリット
・変動が甚だしいため短期間で大きな損失を受けるリスクがある
・ハッキングなどによって、所有していた仮想通貨を突然消失する恐れがある
・法律で制限される可能性も排除できないため、見通しが不透明である
不動産
メリット
・家賃収入が安定していれば、立派な定額収入になる
・相続を有効活用できる
・長期的に家賃収入があるので、不労所得や年金対策になる
・不動産はインフレやデフレでも価値が下がりづらい
デメリット
・大きな買い物なので売り手が見つかりにくい
・自然災害などによって、物件が使用不可となる
・空室が埋まらず、家賃収入を得られないことがある
・変動金利で不動産を取得した場合、金利上昇で支払う利息が増える
・初期投資が高額になりがちである
・建物が壊れたり老朽化した場合に、多額の修理費を要する
不動産投資信託
メリット
・実際に不動産を保有する必要がないので、少額の資金から投資が可能
・運用を専門家にしてもらえるため、管理の手間がいらない
・急落するリスクが少ないので、利益が安定している
デメリット
・投資している不動産に対する管理権限を得られない
・自然災害が原因の損傷や倒壊、空室が多い場合に損失を被る
iDeCo
メリット
・積立金が所得から控除され、所得税や住民税の節約ができる
・運用益が非課税になる
デメリット
・基本的に年齢が60歳に達するまでは引き出せない
・運用益は実績によるため、将来どれほどの金額を受け取れるのかが不透明
オススメの投資関連ビジネス
投資には、生活をより潤沢にできる可能性が秘められています。しかし、見過ごしてははいけないのが『リスク』です。投資は100%都合よくいくとは限りません。投資を始める前に、『リスク』『リターン』『期間』の3つの要素を理解してから種類を決めましょう。
投資のリスクとは
数ある投資の中で、リスクのない投資はありません。リスクは、リターンの変化を意味しており、リターンの変動幅が大きいほどリスクは高くなり、リターンの変動幅が小さいほどリスクは低くなります。
つまり、リターンが大きい投資であればあるほどにリスクは大きくなり、リターンが小さければ小さいほどにリスクも小さくなるという仕組みです。
FXや仮想通貨はリターンの変動幅が大きいため、リスクが大きくなる傾向にあります。逆に預金やiDeCoはリターンの変動幅が小さいため、リスクが小さくなる傾向にあります。投資の種類によってリスクの大小が異なっているため、それに合わせたリスクを管理することが重要となっています。
投資信託
投資信託がおすすめな理由
・リスクの分散が可能
・小額の資金からOK
・運用のプロに任せることが可能
・選択肢が豊富である
投資信託の主なリスク
・元本保証がない
・コストがかかる傾向にある
株式投資
株式投資がおすすめな理由
・少ない資金でも投資が可能&優待を期待できる
・多くの投資先から選べる
株式投資の主なリスク
・価格変動商品のため値下がりリスクがある
・為替変動リスク・カントリーリスク(外国株式の場合)
・投資先が倒産する可能性がある
iDeCo【個人型確定拠出年金】
iDeCoがおすすめな理由
・多くの人がiDeCoに加入することが可能
・節税対策になる
iDeCoのリスク
・原則60歳まで引き出せない
・運用商品によっては、元本割れしてしまう可能性がある
・手数料がかかってしまう
REIT(不動産投資信託)
REITがおすすめな理由
・高い分配金を得ることが可能
・プロに任せられる
・少ない金額から可能
・分散投資が可能
REITのリスク
・実物が所有できない
・自然災害のリスク
・投資法人の倒産リスク
まとめ
副業といえば『100万円稼げる』『不労所得』といったイメージを持っている場合が多いと思いますが、遠すぎる目標をもってしまうと、かえってやる気を削ぐこともあるようです。中途半端な知識のままで副業を始めてしまい、気づかないうちに脱税してしまったということになってしまっては大変なことです。
副業を始める時は、何よりも『バランス』が大切で、のめり込んでしまったことによって本業がおろそかになってしまっては、本末転倒です。まずはお試しのつもりで最初の1年間は、確定申告のやり方や税金についてを学びながら、月々2万円くらいを稼いでいくことを目標にして始めてみるといいでしょう。
投資にはさまざまな種類があって、それぞれにメリットとデメリットが大きく異なっています。自分に合っている投資をすることで、リスクを減らしながら成功へと導きやすくなることが大切です。現状をしっかりと把握したうえでゴールを定め、自分の目的に合っている投資をしていきましょう。